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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

「先輩、ちょっと今いいですか……?」のストレスを減らす! 昔ながらのOJT教育をDX化するツール「ノバトン」とは

2022年11月1日から11日にかけて開催された、日本唯一のオンライン教育・eラーニング総合フォーラムのレポートをお届けする連載企画。今回はOJT教育をDX化するツール「ノバトン(Know-baton)」をとりあげる。

 

ノバトンは組織内の研修に特化したツール。「バトンを渡すように」、知識を伝授するためのシステムとして開発された。

 

コロナ禍もあり、多くの企業が昔ながらのOJT教育に限界を感じている。そんな中、ノバトンを導入し、社内リスキリングを行った事例を見ながら、DX化を推進するこのツールを紹介しよう。

教育のサイクルを回し続ける仕組みが重要

日本において「新型コロナウイルス」という言葉が盛んに聞かれるようになったのは、2020年の年明けからだった。その影響はすぐに日本にも波及し、2020年4月には企業活動にも影響を及ぼしていた。

 

当時、「実地での新入社員研修ができない」という企業に関する報道をよく耳にした。感染拡大により、新人や業務未経験者に必要なスキルや知識を伝達するOJT=On the Job Trainingが実施できない状況に陥ったのだ。

 

その以前から、昔ながらのOJT教育に課題を抱える企業も少なくなかった。先輩から後輩へいわば手取り足取り教えることは、「拠点によって教育品質にばらつきがある」「知識が属人化する」といった課題があった。

こうした課題を解決するツールとして登場したのが、株式会社デジタル・ナレッジが提供する「ノバトン(Know-baton)」だ。「リレーでは個々の足の速さのみならず、バトンの受け渡しが重要です。同じことがビジネスにも言えると思います」と語るのは、同社の研修ソリューション事業部でシニアコーディネーターを務める西尾陽氏だ。

 

ノバトンは組織内の研修に特化し、企業が手軽に社内研修プログラムを作成、運用できるシステムだ。オンライン教材が企業内で簡単に作れるのが特徴のひとつ。PDFやパワーポイントなどの文書はもちろん、動画を組み合わせて多角的な教材にすることも可能だ。

 

受講者はスマートフォンなどマルチデバイスから閲覧できる。多くの人が移動の合間などの隙間時間を使って、好きな場所で教材にアクセスしているという。

 

さらに責任者が進捗を管理する機能も実装。そこで理解度や進度に課題が見つかれば、教材を見直し、新たな教材を作成するという教育サイクルができている。

「教育の仕組みは作成したら終わりではありません。定期的に進捗状況のチェックを行い、新たな流れを作り続けていく必要があります。教育のサイクルをしっかりまわし続ける仕組みが重要です」(西尾氏)。

三密を防ぎながらの社内リスキリング

ノバトンを導入した企業のひとつにマキチエ株式会社がある。補聴器などの製造を手がける老舗メーカーであり、同時に国内30以上の直営店舗での販売も行っている。

 

同社はノバトンを導入する前は、主に紙のマニュアルをもとに、現場の責任者やリーダーが実技教育、知識教育ともに昔ながらのOJTで実施していた。これにより店舗ごとに教育レベルに差があったり、教育内容の標準化がされない、教育進捗が見えないといった課題が挙げられていた。

 

さらにコロナ禍により社員の直行直帰も増え、三密を防ぎながら効率的にリスキリング教育ができる仕組みを求めていたという。

 

マキチエ株式会社はノバトン導入に当たって、初期導入支援や「Video+(ビデオプラス)」などのオプションもあわせて発注した。Video+はストリーミングサーバーを用意するとともに、動画を簡単に加工できる仕組みだ。

 

「オリジナルの動画教材を簡単に作れるオプションです。動画教材では現場のリーダーが講師になって出演するケースもありますが、例えば言葉が詰まったときには、字幕で補足するということができます。また動画収録時と状況が変わったときに注釈で説明を入れる対応も可能です。動画を外注していると、そのたびに時間とコストがかかりますが、それも省けます」(西尾氏)。

 

さらにデジタル・ナレッジではレディメイドのコンテンツも用意。eラーニング形式なら即利用可能で、ノバトン契約中なら利用期間や利用人数に制限はない。「ビジネスマナーのきほん」から、「企業で取り組むコンプライアンス対策」「個人情報保護法 2020年改正のポイント」など、ビジネスに必要な幅広い知識をレディメイドでコンテンツ化している。特に新入社員研修には有効性がありそうだ。

知識をシェアするのは、テレビ番組のパロディ風に

マキチエ株式会社はノバトンをいかに活用しているのか。「テキストで学び、動画で実際の対応を確認するということを行っています。動画では接客の成功パターンだけでなく、失敗パターンも収録。どこが失敗の原因か、受講者が確認できるようにしています」。

 

また動画ではあえて俳優を起用せず、社員自身が出演している。「これによりコンテンツ作成のコストも抑制できますし、さらに受講者は親近感を持って動画を見てくれます」。

 

動画の中には社員自身がスマートフォンのカメラで撮影、人気テレビ番組のパロディ風に仕立てているものもある。そのユーモラスさで、社内で一番の人気コンテンツになっているそうだ。ワイワイ楽しみながら、属人的な知識やノウハウを全社で共有する仕組みになっている。

 

こうしたコンテンツおよびテストやチェックシートは、公開日を決めて段階的に配信していくことが可能だ。そして管理者は各受講者の進捗をビジュアル化されたダッシュボートにて確認していく。さらにスコアシート機能により、オンラインでの学びに加えて、オフラインでのOJTの結果も記録している。

 

「これによりトレーニング内容や進捗をすべての拠点に集約できます。オンラインもオフラインも、教育状況が見える化できます」(西尾氏)

 

さらに重要なのは、ステップ学習だと西尾氏は言う。「受講者の自己申告と教育者担当者のチェック、双方で確認しながら段階を踏んで次に行くことが必要です。教育には時間がかかり、即時にレベルの高い人材が育つことはありません。段階を踏みながら確実に上がっていくことが重要です」。

「今ちょっといいですか……?」の声かけストレスを軽減する

ノバトン導入後のマキチエ株式会社では、実際に成果も出ている。本プログラムを一番先に受講完了したスタッフが、受講修了の翌月、全店舗集計で売り上げランキングの首位になったという。しかもそのスタッフは、それまで一度も首位になったことがなかったそうだ。

 

さらに同社の新入社員からはこんな声も挙がっている。「初めて正社員という立場で働くに当たって、『一生懸命がんばりたい』という思いがありました。ただ最初は、何をどうがんばればいいのかわらかなかったので、不安でした。そこに社内のeラーニングがあって、何をどれだけやればいいのかが一目瞭然で、その不安感が払しょくされました」。

 

販売店舗に配属されたという先の新入社員はこうも続ける。「店舗で接客業務を行っていると、いつどれだけお客様がいらっしゃるか決まっていません。だから安定的に勉強する時間を確保するのは難しい。その点、このeラーニングでは、空き時間に自分のペースで進められ、効率的に勉強できている実感がありました」。

 

昔ながらのOJT教育では、時に教育係である先輩の顔色とタイミングを伺う必要もあった。忙しそうな先輩に、「今ちょっといいですか……?」と声をかけるのを躊躇した経験がある人もいるだろう。一方で担当する教育係の立場からすると、声をかけられることが時にストレスになることも。eラーニングシステムを整備することにより、こうした両者のストレスも軽減されていく。

 

「実際に動画で学んだ接客を実施したところ、お客様から『あなたに頼んでよかった』と言っていただきました。お客様にご満足いただけたのがうれしいですね」と先の新入社員は語る。キャリアを積んだ社員のスキルが、社内eラーニングシステムを通し、効率的に受け継がれている。

 

「ノバトンで目指すのは、属人的な知識を社内で共有すること。ビジネスにおけるバトンを受け渡す手伝いをしていきます」(西尾氏)。

西尾 陽

Akira Nishio

株式会社デジタル・ナレッジ
サービス推進事業部 シニアコーディネーター

入社以来、一貫してeラーニングコーディネーターとして200を超える提案活動に従事。ニーズや予算が様々なクライアントに対して、現実的で費用対効果の高いプランを提示。多数の企業法人やビジネスユースクライアントのシステム導入を成功に導く。

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取材:松岡絵里

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