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ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

オンラインでの表現はどう変化? 識者の見解【オンラインのある暮らし2021まとめ】

2021年のオンライン界隈を振り返るこの企画。SNS界では、10月下旬にFacebook社が社名を「メタ(Meta)」に改めたことで話題となった。インターネット上の仮想空間である「メタバース」の構築など、拡大する同社の事業内容を見据えたものだ。TwitterではTwitter PROが誕生。そのアカウントがどんな情報を発信しているのか、何の専門家なのかを明確にすることが重要視されはじめた。10代から圧倒的支持を得ているTikTokや、全年齢が利用するLINEなど、SNSを取り巻く環境は、日々、変化の連続だ。

 

いまやSNSは個人だけでなく、企業がプロモーションツールとしても活用しており、マーケティングツールとしても無視できない。今回は、そんなSNSについてまとめたい。利用するツールによって世界観が異なるのも、この界隈の魅力である。企業はSNS上でどのように考えていくべきなのだろう。

Twitter上で影響力を持つためにすべきこと

自身の努力からTwitterに多くのフォロワーをもつようになったのが、アフィラ@凡人の努力戦略。(@afilasite)さんだ。ゼロスタートから300日で3万フォロワーを達成し、今では総フォロワーが11万人に。月間最高は2,400万インプレッションを記録した。主にTwitterで稼ぐ&フォロワーを増やす方法等を発信している。

 

ここまでの成果を見ると、もともと影響力をもった人物であるように見えるが、そうではなさそうだ。むしろ、アカウント名にあるように、努力の人である。

 

最初からTwitterを使いこなせていたわけでなく、多くのユーザーのように「自分から発信できることはない」と考えていたそうだ。ただ、それでも運用を続けるうちに、Twitter上にある特徴を発見したという。ここがターニングポイントに。他のユーザーの多くが、実はTwitterのことを理解している訳ではないことに気が付いたのだ。つまり、そこに需要があるのだ。アフィラ氏がTwitterを開始して3か月のことだった。

 

需要があるなら供給するまで、徹底的にTwitterの仕組みを勉強。ヘルプセンターやネット上の記事を50時間ほどかけて隅々まで読み、ここで得た知識を丁寧に分析。独自のノウハウとして整理して、コンテンツ化していった。最終のアウトプットとしては、「Twitter運用100のこと」と題して、Twitterに公開するようになったのだ。これが大ヒット。求められていた需要にうまくハマり、300日で3万フォロワーを獲得するまでになったのだ。Twitter運用において、自分が発信したいことを追求するケースもあるが、今回の場合はその逆。発信すると喜ばれる情報を追求したのだ。

 

またTwitterには、同じ価値観を持つ人同士が集まるというアルゴリズムがある。これも後押ししたのだろう。人が人を呼び込み、より魅力的な繋がりが広がっていく。アフィラ氏の元には、自身と同じように努力を惜しまず、高みを目指すフォロワーが多く集まっているようだ。Twitterで影響力を持ちたいと考える人は少なくないが、こういった逆転の発想から運用することも今後は視野に入れたいものである。

Instagram上で見てもらえるための方法

「企業がInstagramを運用すると、自分たちの投稿でどれくらいバズを狙えるかに目が行きがちですが、まずはユーザー個人が発信できる特性を生かすことが重要です」

 

こう語るのは、『ゼロからわかるビジネスInstagram』の著者で、SNSマーケティングを調査・研究している朝山高至氏だ。自分たちでウケる投稿を狙うより、ユーザー一人ひとりが自社のサービスや商品について、発信してくれるような土壌づくりに注力すべきだと、企業のInstagram運用についてアドバイスをくれる。

とはいっても、Instagramのシェア機能はTwitterのリツイート機能より拡散力も乏しいのは事実だ。ひとつの投稿がシェアによって広まることは現実的ではない。ではどうするか。朝山氏は、自分の投稿が虫眼鏡アイコンの“発見タブ”などに載り、まずは知ってもらうことが重要だという。

 

発見タブは、Instagramが独自のアルゴリズムで投稿をまとめている一覧であり、フォロー外のアカウントの投稿やリールなどがパーソナライズされて並んでいる。実は、ここからの流入が多いのだ。発見タブは、検索の目的を明確に持っていない人が見ることも多い。

 

この発見タブ、狙って掲載することはできないが、その可能性を高めるポイントがあるようだ。

 

「発見タブに表示されるプロセスは、まずアカウントの候補を決めるソーシングがあり、そこから抽出したアカウントにランキングをつけて、関連度が高い、またはエンゲージメントが高い順番に表示しています。たとえば、AさんがBさんの投稿に『いいね』をするなどアクションを起こしたら、Aさんの発見タブにBさんが出ますし、Bさんに似たアカウントもAさんの発見タブに出るようになるんです。

 

また、発見タブに載るかどうかの判断は、コンテンツ単位ではなくアカウント単位で決められています。つまり、ひとつの投稿の良し悪しではなく、そのアカウントのプロフィールや投稿内容、フォロワーとの関係性などからアカウントのテーマ性を割り出し、それに興味を持つ同じクラスターの発見タブに載るようになっています」

 

つまり、発見タブに載るには、アカウント全体の専門性や一貫性が重要であると言える。Instagram運用ではこれらに注意することで、多くの人に見てもらえる機会が増えそうだ。

SNSで拡散されやすいプレゼントキャンペーンでの注意

自社メディアのファンを増やすための施策も様々だ。その足掛かりとして、SNSで拡散されやすいプレゼントキャンペーンを実施する企業も多い。ところが、大半はプレゼント目当ての応募で、プレキャン終了後にフォローを外されるパターンも多く、ファンの作り方に悩まされていないだろうか。

 

企業向けの広報PR支援事業を立ち上げ、経営者をはじめ、個人事業主や広報担当者らにPRスキルを伝える「PR塾」を主催している笹木郁乃氏は、自社の方向性に合ったプレゼントに設定しているかが大事だという。

 

「プレゼントはモノに頼らなくても大丈夫です。たとえばビジネスパーソン向けのお役立ちメディアなら、Amazonギフト券やスイーツなどではなく、ターゲットと親和性のあるスペシャルゲストの対談コンテンツにするといいかもしれませんね。

 

ただし、メディアのゴールに当てはまってしまうプレゼントには気をつけてください。私は、以前勤務していた寝具メーカーでプレキャンを担当していたのですが、マットレスをプレゼントしたら、それってもう目的を果たしてしまうことになるわけですよ。ですから、マットレスを購入してもらうきっかけになりそうな、マットレスと同素材を使用したクッションや、睡眠アプリの体験を提供するようにしました」

 

プレキャンの拡散力が高いため、ファンを獲得できているように見えるが、その後ファンが離脱しないよう工夫が必要だ。プレゼントの方向性はしっかり見定めたい。

 

「いきなりフォロワーが増えたり、SNSから集客できたりすることはありません。自社のアカウントを耕せていない段階で、プレキャンを実施するのは逆効果。日頃から地道な投稿とフォロワーとの交流でアカウントを耕すことが大切です。長期的に見てフォロワーに信頼してもらう土壌づくりを心がけてください」

 

SNSを活用した効率的なPRを模索するのではなく、日々の姿勢をユーザーから見られて判断されていることを忘れずに運用していきたい。

自社メディアSEO対策よりも大切なこと

自社メディアでいうと、SEO対策を行う企業も多い。幅広くネットを活用したマーケティング手法を紹介した『図解デジタルマーケティング・ハンドブック』の著者であり、カーツメディアワークス取締役の石黒孝昇氏は、「オウンドメディアで重要なのは、ユーザーに必要な情報を提供できたか、ユーザーに好感を持っていただけたかです。SEOなのかどうかは、その結果に過ぎない」と教えてくれた。

 

「トレンドを拾ったフロー記事や、確実に狙いに行くストック記事など、それぞれの配分のバランスが重要だと思います。ですが、コンテンツの手段やテクニカルな部分にこだわるよりも、本当にターゲットユーザーが必要とする情報を伝えることに専念することを第一優先で考えるべきです。手段や配分にこだわりだすと、目的を見失いがちになります」

 

SEO対策というキーワードはよく耳にするようになったが、ここに全振りするのではなく、ユーザーにしっかり届けるという部分を優先すべきと石黒さんはいいます。

 

では、トレンドコンテンツをつくるなら、どういった方法があるのだろう。SEOコンテンツのような息の長いものを自社メディアに掲載したい思いは理解できるが、そう簡単な作業ではない。

 

フロー記事の最大瞬間風速を上げるためには、「シーズナリーで必ずくるトピックスと、そのタイミングのトレンドを掛け合わせること」が重要だという。取材時は2021年の夏だったため、事例がいまの季節と異なるが、石黒さんのポイントはこうだ。

 

「たとえば今の時期であれば、『夏の風物詩(グルメならそうめんやかき氷など)』がシーズナリーのトピックス。今のトレンドは『オリンピック』ですよね。この掛け合わせから、自社のサービスに重なる部分を提案するなどして、トレンドの先を設計するといいかもしれません」

 

なるほど。自分達のもつサービスと、季節のトピックスと重なる部分をコンテンツ化していくのだ。そうすることで多くのユーザーに共感をもってもらいながら、サービスを知ってもらえる。これはオウンドメディアの記事だけでなく、SNSでの発信にも活かせそうなアイデアだ。

 

SNSで人気者になりたい。企業アカウントやオウンドメディアを運用している担当者は、いつもこう願っているだろう。人気者であることであらゆるコンテンツ制作がスムーズになるからだ。しかし、以上の識者が口を揃えて言うことは、ユーザーの利便性を最優先すること。そして、ボタンひとつで人気者になることはないこと。親切心と真心をもって運用することが、何よりの近道なのかもしれない。

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