ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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オンラインと今。

ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

スポーツが心に与える影響を可視化。アシックスが目指す、心身ともに健康な世界とは

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川沿いや公園のランニングコースは、コロナ禍でも多くのランナーで賑わっている。皇居ランナーも以前と変わらない様子だ。

 

ジム休業により運動する場を失った人たちをはじめ、運動習慣がない人たちでも、在宅勤務による慢性的な運動不足を解消しようと走る人たちが増えたのではないだろうか。

「新型コロナウイルス感染症影響下におけるランニング意識調査(※)」(2020年6月度)

アシックスの「新型コロナウイルス感染症影響下におけるランニング意識調査(※)」(2020年6月度)によると、週に1度以上ランニングをする人がコロナ以前に比べて118%増加したことが分かった。

 

この調査で興味深いのは、運動はメンタルの向上に影響があるということだ。同調査によれば、ランニングをした人たちから「精神面で役立った」(41%)、「運動によって気分が晴れ、自分自身をコントロールできる」(65%)というポジティブな回答が得られたという。カラダを動かすことが心身の健康管理につながっていることは体感としてすでに実感している人も多いだろう。

 

それを定量的に可視化したシステムが、アシックスの「マインドアップリフター」だ。アシックスジャパン株式会社マーケティングコミュニケーション部マネジャーの福成忠氏に、同システムの開発経緯や活用方法について話を聞いた。

福成 忠

アシックスジャパン株式会社マーケティングコミュニケーション部マネジャー

1992年入社後、選手契約、広報、サステナビリティ等の部門を経て、2021年1月から現職。日本国内におけるアシックスブランドや商品のコミュニケーションを束ねる一方で、自身のSound Mind, Sound Bodyを実現することを目標に、日々トレーニングに励むランナー・トライアスリート。

不安感の払拭にも。スポーツとメンタルの関係性

「戦後の日本の子どもたちに希望を持って生きてほしい」という願いから、スポーツ事業を介して青少年の心身ともに健やかな育成を目指すべく、1949年に創業したアシックス。創業当時からの理念がこのコロナ禍でより強まり、改めてスポーツの意義を検証していくために、マインドアップリフターは誕生した。

 

このシステムは、42人の成人ランナーを被験者に迎え、運動前後の脳波や顔の表情などを分析し、スポーツが感情と認知能力にどう影響するのか、EMOTIV社とブレンドン・スタッブス博士と協力し研究・開発された。

 

使い方は簡単だ。まず、スマホのカメラで自分の顔をスキャンし、感情にまつわる複数の質問に10段階で回答。その後、任意のスポーツを20分間以上継続する。最後に再度質問に回答することで、冷静さや充実感、集中度などから精神状態がデータ化され、自分のココロを知ることができる。インターネットさえあれば誰でも利用が可能だ。

 

「マインドアップリフターを介してわかったのは、20分間のランニングをすると平均して12.3%精神的向上が見られました。さらに、運動習慣がない人の方が倍近く伸びたという結果も出ています。カラダを動かすことによって、充実感を得られたり、リラックスできたり、不安感が払拭されたりすることが数値化され、自己認識と脳波の結果が一致することがわかりました」

 

軽い運動で感じる心地よい疲労感は、たしかにメンタルに良い作用をもたらしていたようだ。

 

一方で、「運動によって起きる変化はポジティブなものだけではない」という。たとえば20分間という運動時間を設定しているのは、代謝機能が高まる時間というほかに、長く運動しすぎることによる疲労感でストレスが生じることもあるからだ。

 

また、テニスなどの一対一のスポーツや勝負事感が強い競技は緊張感を伴うため、場合によってはポジティブ以外の影響がメンタルに生じる可能性もあるという。

 

いずれにしても、2021年6月に実証実験を開始したばかりなので、利用者が増えればその分、人種や顔の造形、感情の変化等のデータが集まり、より精度が上がっていくとのこと。メンタルの向上に最適なスポーツや運動頻度、運動時間などが見えてくるかもしれない。

運動がストレスな人へアドバイス

気になるのは、運動習慣がない人へのアプローチ。運動習慣がない人のほとんどは、運動が苦手か、運動するのが億劫な人である。健康のため、気分転換のためとはいえ、なかなか重い腰が上がらない人が多い。運動する前にストレスを感じてしまうこともあるだろう。

 

実は現在の運動習慣の有無は、幼少期の運動習慣の有無で決まってくるとのこと。大人になってからいきなり習慣づけられるものではないようだ。

 

運動習慣がある福成氏は「気乗りしないものを無理にするのはかえってストレスだからしなくてもいい」と前置きをした上で、運動習慣を生み出すコツを教えてくれた。

 

「運動を始める・続けるにあたって、ちょっとした自分へのご褒美を設定することは、モチベーションにつながるのでとても重要だと思います。新しいウエアを買うのもいいですね。あとは、なかなか難しいかもしれませんが、ご友人を誘って一緒にやってみるのも継続につながると思います。とにかく、いろんな動機付けをして挑戦できる環境をご自分で整えてみるのが大切です」

コロナで行動を制限する日々が続きストレスが溜まっている人や、自宅で仕事がなかなか捗らない人、そしてなんだか気持ちが晴れない日々を送っている人こそ、積極的に運動を取り入れたい。

 

(※)世界12カ国のエクササイズを行っている男女を対象にインターネットで実施。回答者1万4,000人、うち日本は1,000人。記事で紹介した回答は、日本人の回答のみ抜粋。

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取材:藤田佳奈美

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