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オンラインと今。

ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

2枚の写真だけで体脂肪率・骨格筋量などを推定計測!AI採寸テクノロジー「Bodygram」が健康をサポート

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昨今はコロナ禍の影響もあり、ECサイトで服を購入する機会も増えてきているが、届いてみるとサイズが合わなかった……ということも。特に身体へのフィット感が重要なシャツなどは、オンラインでの購入はなかなか難しい。そこで今注目を集めているのが、年齢・身長・体重・性別を入力後に2枚の写真を撮影するだけで、身体を計測し、3Dアバターとなって現れるアプリ「Bodygram(ボディグラム)」だ。アパレルはもちろん、ヘルスケアやフィットネス業界からの視線も熱い。COOのRei Aiba氏にサービスの需要と未来像を伺った。

Rei Aiba

ボディグラム・ジャパン株式会社 COO

2012年から、日本のヘッジファンドを牽引するシンプレクス・アセット・マネジメント株式会社に勤務。2020年9月1日、ボディグラム・ジャパン株式会社のCOOに就任。人工知能(AI)の学習機能を駆使して身体サイズを推定する「Bodygram」の開発・実用化に貢献している。

コロナ禍のヘルスケア需要を受け、約3ヶ月でリリース

シリコンバレーでエンジニアの「服を買いに行くのが面倒」という声から生まれた、完全オンラインのカスタムシャツブランド「Original Stitch(オリジナルスティッチ)」。しかしシャツは正確なサイズ把握が重要な商品のため、オンラインでの採寸技術を模索した。それが「Bodygram(ボディグラム)」の始まりだったという。2019年1月にはアメリカでBodygram Inc. を設立、同年5月にはボディグラム・ジャパン株式会社が設立された。Rei Aiba氏は2020年9月にボディグラム・ジャパン株式会社のCOOに就任している。

 

「オリジナルスティッチから独立当初より、我々はBodygramのテクノロジーがさまざまな分野に活用できると考えていました。アパレル、ヘルスケア、フィットネスなど1つの業界に留まらずにサービス展開を構想していました」

中でもコロナ禍のタイミングで注目を受けたのが、ヘルスケア領域だ。未曾有のウイルスへの直面、外出機会が減ったことによる運動不足などから世間のヘルスケアへの関心が一気に高まった。この機会を逃すまいと約3ヶ月というスピード感で3Dアバターのサービスをローンチにまで漕ぎつけた。

 

「元々構想はありましたが、世界の変化に合わせて今リリースすべきだと決断しました。東大教授やグーグル出身のエンジニアなど非常に優秀なチームです。Bodygramのミッションや人々の生活に与える価値に共感してくれたことで3ヶ月でのリリースが実現しました」

 

Bodygramは年齢・身長・体重・性別を入力し、服を着たまま正面と側面の2枚の写真を撮影すると、胸囲や手足の長さなど24か所の推定採寸と、体脂肪率や骨格筋量などの体組成データの推定計測と姿勢分析を行う。これによって、肥満や糖尿病、生活習慣病などの早期発見なども将来的には視野に入れていくことを目指している。

 

重症化する前にBodygramが警鐘を鳴らすことで、健康診断を受けるなどユーザーの健康生活へのサポートに利用してもらう。ユーザーがデータを栄養士に渡して健康管理を行うといった事例も考えられるだろう。すでにApple社の「ヘルスケア」アプリと連携の他、花王ヘルシアではLINEアカウントで腹囲と内臓脂肪を測定する「モニタリングヘルス」サービスも始まっている。

リアルすぎると不快感に。ビジュアル面を試行錯誤

Bodygramのサービス開始直後は、24箇所のボディパーツの計測データを数字情報のみで掲示していた。しかし数字を羅列しているだけでは、ユーザーに情報が伝わりにくい。より体型をユーザーが認知しやすいよう、ビジュアル化に着手。3Dアバター機能の搭載へと至った。

 

「アバターのデータは個人の身体から作り上げていますが、リアルすぎるとユーザーが不快に感じてしまいます。採寸や体型把握という目的に合う実際の身体に近いものを作りながらも、ユーザーの感情を害さないアバターを作るのはとてもチャレンジングな試みでした。数々の社内議論を繰り返し、今の3Dアバターに辿り着きました」

 

他社のアバターは全身に統一の平均的なアバターを使い、特定の箇所のみ個人のデータを反映しているのに対し、Bodygramは全身を個人のボディデータによってカスタマイズ。リアリティを持って自分の身体を可視化できる。結果、Bodygram のアバターはSNSでも大きな話題となり、短期間でダウンロード数が1.5倍に増加した。自分の身体を客観的に見られるというユニークな体験は、学生から中高年まで全世代に支持されている。

 

「自分の体の情報データにアクセスするのはユーザーの権利です。情報を簡単に使いやすくアクセスできる役割を、Bodygramは果たしていきたい」

非接触でのオフライン体験価値向上にも寄与

Bodygramはオンラインだけでなく、店舗のオフライン体験にも活用されている。西武・そごうや紳士服のはるやまでBodygramの技術を採用。非接触・短期間でシャツや既製スーツの採寸を終えられるだけでなく、AIを用いた行程そのもののエンターテイメント性が顧客からの良い反応に繋がっているという。

 

「お客さんの驚きや楽しさなどリアルな反応を販売員の方々は実感しているようです。オフラインでのショッピング体験の質が上がり、購入率も上がったと聞いています。店員さんとの会話にもなる上、店舗にまた行きたくなる、という新たな価値に繋がっています。Bodygramを導入することで提携企業のブランドバリュー創造にも役立っています」

オンラインでの身体の可視化が、顧客の行動変容に繋がる

Bodygramの活用法は多岐に渡っている。本当に自分の身体にフィットするか疑問を持っている消費者に対して、ECサイトでのシャツや服のオンライン購入に活きることは想像に容易い。さらに、Bodygramはコロナ禍で密を避けなければならない、学校制服のリモート採寸にも活用されている。大手制服メーカーであるカンコー学生服、トンボ学生服などに導入。オンラインでの購入が叶うことで、消費者の時間も短縮できている。こういった価値提供が、顧客の購買行動を後押ししたり、更なる行動変容に結びついたりしているという。

 

「嬉しかったのは、身体を客観的に見ることで、よりリアルに自分の身体の情報を認識し、行動に繋がる方が多かったことです。これを機にダイエットを決意したり、もっと筋肉を鍛えようとボディメイクを始めたり。我々のサービスがユーザーの行動に寄与できていると実感しています。今後もユーザーに求められるサービスを開発し提供していきたいです」

今後はフィットネス業界とのタッグなども期待できそうだ。アパレル、ヘルスケア、フィットネス、栄養…。あらゆる観点からBodygramは発展性を見据えている。最後にRei Aiba氏が強調したのは、ユーザーのフィードバックへの感謝だった。

 

「フィードバックをシェアしてくれ、体験の価値を言語化してくれるユーザーは、開発における大きなモチベーションです。より一層イノベーションを起こしていき、高い価値提供を実現していきたい」

 

身体の情報をスマホ1台で分かりやすくかつ繊細に可視化し、高品質な購買体験やカスタマイズ化された健康管理を叶えていく。そうすることで、時間の無駄や遅すぎる病気の発覚などを防いでいく。これぞオンラインを活用したウェルビーングな生活の実現と言えるのではないだろうか。

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取材:齋藤 優里花

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