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ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

「成り立つわけがない」とも言われた、金融商品を売らない若者向け金融“トレーニング”サービスとは

「お金が全然貯まらない」、「投資してみたいけど、何からやればいいのかわからない」、「親からの相続について備えたい」。お金にまつわる悩みは多岐にわたるが、プライベートなお金の話は人前ではなかなか相談しにくいものだ。かといって、ネットでは怪しい情報商材が出回っていたり、金融セミナーへの参加も商品の勧誘などが煩わしい。もっと気軽に知識を得られる場所はあるだろうか。そして率直に相談できる人はいるだろうか?

 

そんな現代日本人のモヤモヤ感を払拭するサービスが「ABCash」だ。いわゆるFP(ファイナンシャルプランナー)とは違う、お金についての新たな学びのスタイルを紹介しよう。

マンツーマンだからこそ、秘密も話せる

「パーソナルジムのお金版、とイメージしていただけるといいと思います」。ABCashを提供する株式会社ABCash Technologiesの代表取締役社長の児玉隆洋氏に、同社が提供するサービスについて聞くと、そんな答えが返ってきた。

 

「投資の相談に乗ることをイメージされる方が多いようですが、それだけではありません。お金を増やすこと、貯めることに関する、総合的な知識やスキルを学ぶ、実践的なトレーニングの場です。投資はもちろん、家計管理や保険、相続税や住宅ローンなど、ABCashで得られる知識は多岐に渡ります」(児玉氏、以下同)。

 

「お金のトレーニングスタジオ」を称するABCash。「3ヶ月でお金に強くなる」をコンセプトに、専属のパーソナルコンサルタントが金融知識・ノウハウ提供、資産管理・運用サポートを行っている。

 

プログラムはまず、無料体験会に参加することから始まる。リアルのスタジオもあるが、すべてオンラインで完結できる手軽さも確保。無料体験会からファイナンシャルコンサルタントと呼ばれる専属の担当者が付き、マンツーマンで学んでいく。入会後は担当のコンサルタントと一対一で60分のオンライントレーニングが計10回行われる。それに加えて、60日間チャットで支出報告や相談ができるデイリートレーニングと、専門コンサルタントによるスペシャリストトレーニングが最大72回受講可能。3カ月で完結するサービスだが、その後も継続して学べるプログラムも用意されている。

「マンツーマンであることは特に重視しています。お金について学びたいと思って、金融系のYouTubeを見たり、セミナーに参加したりする方も多いですが、もしわからないことがあっても質問がしづらい。さらにお金のことって、個人の状況によっても違いますし、また得たい知識も個人によって異なります。だからこそ、パーソナライズすることが重要だと思っています」(児玉氏)。

 

ABCashには基本となる学びのプログラムがあるが、それも個人の要望に合わせ、オーダーメイドでカスタムすることが可能だという。そのプログラムでは、お金に関する力を、貯金力/保険住宅選択力/節税力/投資力/詐欺回避力という5つに分けている。「お金が貯まらない」という悩みであれば、「貯金力」を重点的に学べるようにリクエストすればいい。

 

さらにマンツーマンというスタイルは、お金のことだと都合がいい。具体的な話をしたくても、年収や貯金額、はたまた毎月投資したい額を伝えることに抵抗がある人は少なくないだろう。この場合もABCashなら、伝えるのもクローズな場で専属のファイナンシャルコンサルタントに限られる。もちろんある程度やりとりをした後、信頼してから打ち明けるという手も可能だ。

 

「マンツーマンの良さを生かして、最終的には実践に至ることを目標としています。モットーは幽霊会員をつくらないこと。実際にお金が貯まったり、望む投資ができたりと、結果が残ることを目指しています」。

 

ファイナンシャルコンサルタントについては、多彩な人材をそろえるように特に注力しているという。

 

「受講者にとって選択肢があるほうがいいと考えています。特に投資に強い人材とか、家計管理に強いなど、属性に別れています」。

 

受講者にはカウンセラーがついて、どういうことを重点的に知りたいかなどヒアリングして、最適な人材とマッチングを行う。都合が合わなかったり、別のファイナンシャルコンサルタントと話してみたいなどで、担当を変更することも可能だという。

「お金が貯まらないタイプだった」からこそ、重視すること

ABCashの中で児玉氏が目指すのはあくまでも「トレーニング」。すなわち「お金に関する知識を得ること」だ。最終的に何かの金融商品を売ったり、特定のサービスをすすめたりすることはない。

 

「中立的な立場であることも非常に重視しています。最終的にそれが何かの販売につながるのであれば、利用者は安心して相談することはできないと思うんです」。

 

その背景には、児玉氏自身の苦い体験がある。「もともとまったくお金が貯まらないタイプだった」という児玉氏。あるとき自分がいかに損をしているかを計算したところ、愕然としたという。そこで一念発起して、お金にまつわるセミナーや、ファイナンシャルプランナーとの面談を重ねていった。

 

「金融系のセミナーは100回以上行ったでしょうか。けれど最終的に何かの商品につながるものが多くて。お金に関して損することをやめたいと思っていたのに、気づけば不動産を買いそうになっていたこともあります」。

 

同様の経験をしたことがある人も少なくないだろう。だからこそ児玉氏は「金融商品を売らない」を確固たるポリシーにしている。

「成り立つわけがない」という周囲の猛反対を経て

もうひとつABCashが特徴的なのが、メインターゲットが20代~30代の男女と、若い世代向けのプログラムであるということだ。金融を主軸とするビジネスなら、中高年の富裕層をターゲットにしたほうが売り上げは確保できそうな気もするが……。

 

「そうした富裕層向けのサービスはすでにたくさんあります。ABCashでは、もっと国民的なサービスを創りたいと思っています。金融に関する“教育”なので、若いほうがいい。例えばSNSで言えばInstagramなどもそうですが、若い世代が使っているものが、徐々に国民的なサービスに繋がっていくと思うんです」。

 

とはいえ、ABCashの立ち上げ当初は、茨の道だったという。「周囲の人々からものすごく反対されました。マンツーマンと手がかかること、金融商品を売らないこと、さらに若い層をターゲットとしていることで、『そんなの成り立つわけがない』と」。

 

蓋をあけてみると、2018年のサービス開始から2022年7月まで、累計受講者が2万人を超えた。当初から自身は勝ち筋を見ていたのだろうか。

 

「実は自分自身が金融系のセミナーに頻繁に行き、金融の知識をつけたところ、友人からたくさん相談を受けるようになったんです。3カ月間毎日、ランチの予定が埋まるほどでした。そのときに気づいたんです。みんな金融の知識を欲しがっているのに、身に付けられる場がない。お金に関して相談できる人がいないということです。だから絶対にニーズはあるはずだと確信していました」。

売る側と買う側を、同等に

実は児玉氏は、金融系企業の出身者ではない。前職は株式会社サイバーエージェントで、Amebaブログアプリの責任者やAbemaTVの広告開発局長を務めたキャリアがある。なぜ自身のビジネスを立ち上げるにあたって、金融教育を選んだのか。

 

「インターネット業界での仕事を10年ほど続けているなかで、世の中の情報の非対称性を感じていました。特にお金に関してはその傾向が強い。消費者側はこれまで金融に関する教育を受けていないから、売る側の知識に負けてしまうんです。そして勧められるがままに高額な金融商品を購入したりしてしまう。だからこそ、消費者側をエンパワーメントしたいと思っています。売る側と買う側を、同等にしたいんです」。

 

確かに日本においては、積極的に学びにいかない限り、お金に関する知識を得る場は少ない。むしろ「お金の話はいやらしい」「人前でするものではない」といった、ネガティブなイメージもある。

 

「諸外国に比べても日本は金融教育が遅れていると思います。欧米では義務教育の時点から金融に関する知識を得る機会がある。日本でもようやく2022年から、高校の必修科目である家庭科の授業で、金融教育が義務化されました。でももっと早く、小学校・中学校から学ぶべきだと思っていますし、弊社ではそこに繋がる働きかけをしていきたいと思っています」。

お金と向き合うことは人生と向き合うこと

ところで、実際にABCashを受講した人からは、どんなリアクションが返ってきているのだろうか。

 

一番多い感想が、もっと早く知りたかったという感想だと児玉氏は明かす。今まで知れる機会が少なかったので当然かもしれない。

「『将来の漠然とした不安が解消された』という方も多いです。ABCashでは、お金と向き合う上で5年後、10年後にどんな自分になっていたいかを考える機会があります。それはキャリア形成とも結びつきます」。

 

中にはお金について熟考し、知識を得ていく中で、思い切って転職する人もいるという。

 

「お金は豊かな人生をサポートしてくれるもの。お金と向き合うことは、人生と向き合うことだと思います」。

児玉 隆洋

Takahiro Kodama

株式会社ABCash Technologies 代表取締役社長

大学卒業後、2007年サイバーエージェントに入社。Amebaブログアプリを責任者として立上げる。 その後、Amebaブログ事業部長、AbemaTVの広告開発局長を歴任。 2018年、株式会社ABCash Technologies (旧bookee) を設立し、代表取締役社長に就任。2022年8月に株式会社幻冬舎より単著『未来のお金の稼ぎ方 お金が増えれば人生は変わる』を上梓。

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