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ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

社会人こそOB・OG訪問を。コーチングを採用した次世代就活で「進路の正解」を探る

「最近の社会では、いわゆる『師匠』みたいな人がいないよね、という話にある日なったんです。働き方が多様になったこともあり、『こんなふうにキャリアアップしていきたい』という憧れの存在、つまりは、ロールモデルがいない。そういう人たちと出会いやすい世界を作ったら、より自分の目指す働き方ができるのではないか」

 

そう語るのは、ロールモデルマッチングサービス「Rolmo(ロルモ)」を展開するGenAI(ジェナイ)合同会社代表・三浦一起氏。「Rolmo」は、コンサルティング業界をはじめとする企業において現場社員と転職希望者を結ぶ、マッチングのプラットフォームだ。コンサルティング業界を目指す人材へのノウハウやテクニックの共有、就職を見据えた対策、入社後のフォローなどのコーチングも兼ねている。

 

デジタルやAIを駆使して「日本社会を強くする」ことをミッションとして掲げる同社。コンサルティング事業も含め、その内容や目指すところを三浦氏に話を聞いた。

「人」も「企業」も、両者ハッピー。中途採用の人材マッチング

業界を知るには、業界のプロフェッショナルに話を聞くのが一番の近道。「Rolmo」は新卒採用者における企業のOB・OG訪問の「中途採用者バージョン」と捉えると分かりやすい。ちなみに「Rolmo」のネーミングの由来は、「ロールモデル」という言葉から。

 

「そのロールモデルと出会えることができたら」が、このサービスを始めたきっかけだと語る三浦氏。確かに中途採用の場合、入社前に現場のプロから話を聞ける機会がほぼない。現代の日本では、誰もが「正解のない進路」を自身で決断するという難しい壁にぶつかっている。「エリート街道」に誰もが憧れた時代は、もはや過去の話。それゆえに、働き方に悩む人が増えている。

 

「とくに業界をまたいだ転職を考えたときに、面接をする前に気になる企業とカジュアルな顔合わせの場を設けられるマッチングは、ニーズがあると思いました。なかなか事前に知ることができない業界の内状を知ることができたら、求職者にとっても会社にとっても、入社後のアンマッチを防げます」(三浦氏、以下同)

面談では美談を語りがちだが、実際に現場で働いてみると「どうにも合わなかった……」というのは、少ない話ではない。そういった点でも、Rolmoを通じて事前に確認作業をしておくことのメリットは大きい。

 

さらにコンサルティング業界の課題として、未経験の中途採用者がなかなか活躍しきれない現状があり採用をかなり絞っている傾向にある、と三浦氏。

 

「とくにコンサルティング業界と他の業界とは文化が違うことも多いんです。Rolmoではそのあたりもふまえ、コーチングを徹底。コーチングは単なるアドバイスに留まらず、コーチとユーザーで擦り合わせた同じ目標を掲げ、それを達成するというスタンスで行います。イメージがあまりよくないためか日本ではまだまだ浸透していないコーチングですが、欧米では名だたる起業家がコーチをつけ、ビジネススキルアップをしています」

 

コーチングは、正解の答えを教えるのではなく、自分の中にある正解を一緒に寄り添いながら導き出すもの。ビジネスにおける活用はもちろん、私生活における決断にも役立つ考え方を学べる。

 

「適切なコーチングを受けることで、より自分らしい働き方に近づけます。それは企業にとってもエンゲージメントの向上や離職率の低下に繋がり、ひいては、日本経済を強くするといったプラスの方向に導くことができると考えています」

「新しいビジネスを始めたい」の敷居を低くするコンサル事業

Rolmoはto C向けのサービスだが、同社で同じく力を入れているのが、to B向けのコンサルティング事業。先述のRolmoがプラットフォームの提供であるのに対し、こちらはクライアントとパートナー提携を結び進めていく。クライアントは、スタートアップ企業や中小企業が主であるという。

 

同社のミッションである「日本社会を強くする」ことはつまり、「中小企業を強くする」ことであるといってもいい。というのも、日本における中小企業の割合は全体の99.7%を占めているからだ。

 

「私たちのコンサルティング事業では、スタートアップ企業や中小企業における新規事業に向けたシステム開発のご提案から、実際にシステムやアプリを作り納品するところまでを、一貫してご提供しています」

 

同社の強みは、この「一気通貫」にある。コンサルティング事業においては、何をどう作るかという、いわゆる「上流工程」部分と、それを受け実際にプログラミングしてシステムやアプリを作る、いわゆる「下流工程」の部分とを分業することが多い。それを一気通貫することで、コミュニケーションロスやミスが防げる。

 

さらに強みがもう一つ。同社による下流のシステム構築では、ゼロベースからのプログラミングではなく、既存のシステムをうまく活用しつつ「早く・安く」システムを作ること。

 

「これまでのプログラミングのソースコードは専門的で構築するのにある程度時間を要するものですが、ノーコード・ローコード、生成AIを効率的に利用することで、より早くシステムを完成させ、検証するフェーズに移ることができます。そしてコストも安くおさえられます」

同社では、ログイン画面やチャット画面など、ある程度決まった部分は「非差別化領域」として、既存システムや生成AIを使って作成する。一方で、サービスの中核となるシステムに関しては、イチからプログラミングをし、唯一無二なものに仕上げる。既存と新規の「いいとこ取り」ができることを、強みとしている。

 

「『どんなサービスを作り出すか』から、お手伝いすることもあります。システム構築には莫大な予算が必要だと思われることも多く、ここに日本で起業家や新規事業が生まれづらい理由があるとも思います。ですが今は技術の進歩により、従来よりかなりシステムを安く・早く作れる時代になりました。新しいビジネスをどんどんグロースできる世界になったらいいなと思います」

 

漠然としたビジネスモデルがあるが、何から手をつけていいかわからない。そんなまだ芽吹いていない新しい可能性を実現へと導くのが、コンサルティング事業の価値ともいえる。

中小企業のフレキシブルなDXがメインストリームへとなる未来

コーチングやコンサルティングを通じて、新しい働き方や新規ビジネスへのハードルを下げる。そんなサービスを提供する三浦氏は、未来の業界をどのように読んでいるのだろうか。

 

「私たちのコンサルティング事業におけるシステム構築で活用しているノーコード・ローコード、生成AIは、まだ業界のスタンダードではありません。おもちゃ扱いのようにされることもあります。信頼度がまだ高まりきれていないんですよね」

 

同社のクライアントにスタートアップや中小企業が多いのは、新しいものをフレキシブルに導入できる彼らの体制によるものも大きい。

 

「とはいえ、少し先には、ノーコード・ローコード、生成AIがスタンダードになるでしょう。これまでの無駄な工数を省いて事業展開や事業推進に繋げられるという有用性が実証され、ある程度浸透していくでしょう。さらに先には、システムの全てをノーコード・ローコード、生成AIで担う時代も来るかもしれません」

 

Rolmoについても対象企業は中小企業が中心だが、その価値が伝播していけば、よりスタンダードになるだろう。

 

「転職の際のプラットフォームとして、コーチングシステムが当たり前になる未来があると、より自分にマッチした働き方が選択できるのではと思います」

 

一人ひとりが、より自分らしい働き方ができる時代。それを探りやすいプラットフォームやサービスが増えれば、人も社会もよりエンパワーメントされていくだろう。

三浦一起

Ikki Miura

GenAI合同会社 代表

上智大学卒。フューチャー株式会社に新卒入社後、基幹システム刷新等の大規模プロジェクトの推進を経験。その後、ベンチャーのコンサルティングファームに移籍し、PJでのデリバリーから、案件獲得、顧客開拓まで幅広く活躍し、IPOの実現に寄与。ベンチャー企業における小回りの効いた立ち回りから、大企業における大型案件のリーディングまで、業界・規模を問わず幅広い経験を有する。

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