ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

SNS活用で物件探し「内見しない人」が増加!?オンライン住まい探し令和のリアル

2022年に宅地建物取引業法(宅建業法)が改正され、不動産業務のオンライン化が加速している。これにより、重要事項の説明を受けたり、契約書等のやり取りなどがオンライン上で可能になった。とはいえ、不動産業界では電話やFAXや手書き書類といったアナログ文化がまだまだ根強い、という実態もある。そうした不動産会社と消費者間の最適なソリューションを探るべく、両者に向けたトレンド調査を随時行っているのが、不動産情報メディアを運営する「アットホーム」だ。3年前からは「オンラインでの住まい探しに関する調査」を賃貸編・購入編とも実施してきた。変化の激しい昨今の不動産事業で、どうニーズを拾い上げ、どう解決策を練るべきか? 調査の実施や発信に携わる、アットホーム株式会社の西嶋優理子氏に話を聞いた。

物件探しにもSNSやYouTube

「アットホーム」といえば物件情報サイトだが、同社ではこうしたメディアの運営に加えて、不動産業務ソリューション事業も行っている。一般消費者と不動産事業者の両者に向けサービスを提供することで、不動産業全体の大きな動きを捉えてきた。それを証明するのが、両者へ向けて頻繁に実施される市場調査だ。不動産事業者向けの景況感調査は3ヶ月に1度、一般消費者向けのトレンド調査も毎月のように実施する。

 

なかでも、3年前から消費者向けに行っている「オンラインでの住まい探しに関する調査(賃貸編・購入編)」が興味深い。最新版では、2021年3月〜2022年10月の間に賃貸物件に引っ越した経験者と、2023年3月までに引越しを検討していて探している検討者のそれぞれ400名ずつを対象に実施。経験者と検討者での違いを中心に結果をまとめたというが、どんな傾向が見られたのか。

 

「『住まいの探し方』の項では賃貸/購入ともに共通して、不動産ポータルサイトやアプリでの検索がやはり圧倒的に多かったです。意外だったのは、不動産会社のSNS(InstagramやYouTubeなど)で検索した/する方が経験者では全体の約10%、検討者では17〜23%もいらっしゃったこと。GoogleやYahoo!の検索窓によるキーワード検索も、経験者では約20%、検討者では30%以上という多さに驚きました」

オンラインでの住まい探し(賃貸編)の経験者・検討者/アットホーム調べ

 

今や買い物やお店選びにも、SNSでハッシュタグ検索をする人は増えている。特にビジュアルに強いInstagramやプロによる解説も見られるYouTubeなどは、物件探しとの相性も良い。オンラインによる物件探しは年々当たり前に、かつ個々の好みや使い勝手によりその手法は細分化している。

申し込み・契約のオンライン化は消費者とのニーズにギャップ

同様に、入居の申し込みや契約においてもオンラインで行いたいという要望が増えている。申し込み書類を手書きで出し戻したり、重要事項の説明を聞いたり、契約書への署名のために不動産会社訪問したり……などと、結構な手間と時間がかかるためだ。

オンラインでの住まい探し(賃貸編)の経験者・検討者/アットホーム調べ

 

「賃貸の入居申し込みの場合、経験者は現地で書類に記入したというのが 59.3%と最多で、オンライン上で行った人は21.8%。対し、検討者においてはオンライン上で行いたいという人が51%にも上りました。契約においても同じことが言えます。経験者ではオンラインで行った人が16%なのに対して、これから行いたい人(検討者)は4割以上。今後オンラインで行いたいと思っている人は、実際の経験者数に比べて圧倒的に多いんです。購入の場合でもほとんど同じ傾向が見られました」

オンラインでの住まい探し(賃貸編)の経験者・検討者/アットホーム調べ

 

同社が昨年行なった別の調査では、「消費者が不動産事業者とのやり取りで大変だと感じたこと」として、「手続きのためだけに不動産会社に足を運ぶこと」「契約書類の出し戻し」「手書きでの記入」などが上位にランクインしている。しかし、入居申し込み〜契約までを行うWEBシステムを導入している事業者はまだ少数だ。

 

「2022年1〜3月期に実施した不動産仲介事業者さんへの景況感調査では、オンライン接客ツールの導入状況を伺いました。ビデオ通話、VR内見、申し込みなどいくつかのツールごとに調査しましたが、各ツールとも『導入していない』が 6~8割以上という結果でした」

2022年5月には宅建業法が改正され、物件入居の電子契約が可能になった。事業者サイドの受け入れ環境が整えば、WEB契約は一気に広がりを見せるだろう。

調査で分かった「内見せず決める人」も

同社は2019年9月には学生や社会人など初めて物件探しをするユーザー向けに、感覚的に物件を探せるお部屋探しアプリ「アットホームであった!」をローンチ。従来のように条件にチェックボックスを打つのではなく、自分のライフスタイルに沿って質問に答えるだけで適した物件を提案してくれる。また同年11月には、不動産情報サイト「アットホーム」上にVRによる擬似内見機能をリリース。VRゴーグルを装着すれば、没入感とともに物件を体感することができる。こうした新サービスの構想にも、市場調査の結果が生きている。

「これまでの調査から、物件探しをする学生さんのお悩みも感じてきました。初めて探すので何を条件にすれば良いのかわからない。また、大学入学までの数日間で物件を決めなければならず、内見しない/できないという方もいます。そうした様々な声を拾い上げ、サービスに生かしています」

AIが物件紹介テキストを自動生成

同社では現在、AIなどの技術もサービスに活かしていると西嶋氏。2020年12月には不動産事業者向けにアピールコメント自動生成機能をリリース。物件紹介ページに掲載される不動産事業者のおすすめコメントを、AIが自動で生成する。

 

「一件一件記入するのは大変ですし、そこまで時間をかけてもいられません。こちらの機能では、物件情報をもとにAIが周辺の物件と比較して、特に優れている条件・設備を判定してコメントを自動で作成します」

 

例えば、「3面の窓がある」「浴室が1坪以上」などの物件情報をAIが読み取り、『思わず長湯したくなる広さ1坪以上の浴室。開放感があって疲れが癒せます』という文章を生成する。そのまま載せても違和感がないどころか、消費者にとって印象的な、かつ生活イメージの湧く文章だ。

 

「物件探しにおいて、インターネットを活用したスタイルはいまや当たり前となっています。一方で、物件探しのヒアリングをしたり、土地勘を活かして提案するなどの、不動産事業者さんならではの“プロの腕の見せ所”については、やはり対面であることも重要です」

 

不動産仲介業は、人にしかできない領域とオンラインで効率化できる領域とが混ざり合っている。デジタルと人の手によるハイブリッドがより活きる業界という意味でも、今後の動向には注目したい。

西嶋 優理子

Yuriko Nishijima

アットホーム株式会社 広報グループ

2017年アットホーム入社。コンシューマーマーケティングを担当するプロモーション推進グループを経て、2018 年より現職。不動産情報のプロとして、さまざまな住まい選びのポイントの解説も行う。

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