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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

小学生19名がeスポーツで「論理的思考力・協調性」学ぶ「フォートナイトキャンプ」レポート

eスポーツの勢いが止まらない。2018年に一般社団法人日本eスポーツ連合が設立されてからわずか1年でeスポーツの視聴者数は約483万人となり、設立当初より126%増加した(※株式会社KADOKAWA Game Linkage調べ)。国内の市場規模においては、設立当初は50億円規模ほどだったのが、2023年時点では130億円規模に(※一般社団法人日本eスポーツ連合調べ)。数字だけを追っても、ますます盛り上がっているのが見てとれる。

 

現代の子どもたちの間では「プロゲーマー」という職業が定着しつつあり、2021年度における「小学生が将来なりたい職業ランキング」において、プロゲーマーは男子7位にランクインした(※日本FP協会調べ)。

 

そんなeスポーツシーンの機会創出を目的とする株式会社Game & Co.は、この夏にeスポーツの立役者的存在であるプロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」と共同で、eスポーツプロゲーマー体験キャンプ「CR Fortnite CAMP」を開催した。対象は、小学4年生から中学3年生。オンラインゲーム「フォートナイト」のレッスンや大会を4日間行った同イベントの様子をレポートする。

eスポーツを通じて小学生19名が熱く闘い、学ぶ

同イベントはゲームを行うだけではなく、参加者がプロゲーマーを体験できるようなプログラムで構成され、業界初の職業体験の機会となった。

 

「勉強という分野では塾や予備校、家庭教師やアプリ、動画共有サイトなど様々な学びの選択肢があります。英会話やダイエットといった他の分野も同様です。ですが、ゲームが上手くなりたいという大きなニーズに対して選択肢が少ないという課題感があり、eスポーツ教育事業を立ち上げました」(同イベント主催・久保敦俊氏、以下同)

同イベントでは、世界大会にて日本人初のビクロイ(「フォートナイト」のバトルロイヤルで1位を獲得すること)を獲得したプレイヤーとしても知られる「Crazy Raccoon」所属のRuri氏をメインコーチに迎え、子どもたちに直接指導を実施。実況ありの大会や試合後インタビューなど、プロゲーマー体験ができる企画やコンテンツにて、子どもたちの興味を大いに掻き立てる内容となった。

1日目は、参加者同士がなじめるようにレクリエーションが実施された。子どもたちは「ゲーム」という共通項によりすぐに打ち解け、競い合ったり協力したりと仲間意識が芽生えた。自宅でゲームをする環境は基本的には一人で、友達との繋がりもオンライン上であることも多い中、こういったオフラインの機会は、子どもたちに新しい喜びを見出す動機になったであろう。

本格的なレッスンが開始された2日目は、Ruri氏による直接指導が行われた。初心者からeスポーツチームに所属している子まで、さまざまなスキルをもつ参加者一人ひとりに対して丁寧に指導が行われ、子どもたちは大いにRuri氏から刺激を受けたという。

3日目に行われたのは、「プロゲーマーへの道」と題した課題に挑戦するプログラム。グループに分かれてフォートナイトについての研究テーマを選び、最後は全員の前で発表。興味のあるテーマだからこそ、子どもたちは真剣そのものだったそう。

最終日の4日目は、イベントの集大成としてゲーム大会を実施。イベント内でプレゼントしたユニフォームを全員が着用して大会に臨む姿は、プロゲーマーさながら。子どもたちのテンションもマックスとなった。勝利して喜ぶ顔や負けて悔しい顔など、生徒の生き生きとした表情が垣間見られ、「どんどん自分の弱点を克服できていると感じられて楽しかった」という参加者の声もあったとか。

 

「ゲーム=遊び」の時代は終わり。ゲームこそ、学び

子どもたちはイベントの4日間を通じて、論理的思考力やチームワーク力、リーダーシップ力などいろいろな力を発揮した。

 

「今回のイベントを通じて、eスポーツのことだけでなくさまざまなことを学び吸収していただけたかと思います。近い将来、eスポーツシーンを盛り上げる方が今回のイベント参加者から現れることを期待しています」

 

同イベントを主催した株式会社Game & Co.では、eスポーツを通じて、人生が充実する人が一人でも増えることを目指し、さまざまな機会創出に取り組んでいる。

 

その一つが、ゲームの上達に特化したオンラインスクール「CR Gaming School」。受講生一人ひとりに「Crazy Raccoon」監修の厳選されたコーチが付き、週1のマンツーマンレッスンをオンラインで実施。受講した9割超が上達を実感するという。

「CR Gaming School」には、ハイスペックゲーミングPC60台以上を完備する「CR GAMING SPACE」が併設されている。今回のイベント「CR Fortnite CAMP」もこちらで行われ、今後もeスポーツを盛り上げるリアルの拠点となっていくだろう。

eスポーツの楽しみ方がより拡張する2030年

2025年には、180億円規模になるとも想定されているeスポーツの市場規模(※一般社団法人日本eスポーツ連合調べ)。さらにその5年後は、どのように変化しているのだろう。eスポーツを最前線で牽引する久保氏が考える「2030年」について聞いてみた。

 

「eスポーツというワードが世に広まり始め、はや数年。時代にマッチしたeスポーツという文化は拡大を続けており、市場も年20%レベルで大きく成長しています。eスポーツ業界で働いてきた身としても、市場の急成長を肌で感じてきました。よりデジタルな世界が当たり前になっていく2030年には、ネットワークやデバイスの進化によって新しいeスポーツの楽しみ方も増えていくでしょうし、デジタルネイティブ世代にとって当たり前になっているゲームやeスポーツといった文化は、間違いなくより広く、より大きくなっていくでしょう」

 

飛ぶ鳥を落とす勢いのeスポーツだが、PCに向かい続ける姿勢でプレイするため体に負担をかけることや、依存の問題が課題として挙げられる。

 

「eスポーツ市場が抱える課題がまだまだ多く残っているのも現実です。事業規模としては急成長を遂げてきたからこそ、日本の国際競争力や選手のセカンドキャリア、契約問題や収益構造の問題など、考えていかなければなりません」

 

現在、株式会社Game & Co.では、その課題を払拭すべく「100年先のesportsのために」というビジョンを掲げ、同社が思い描く未来のeスポーツシーンのために、今からできることに少しずつ取り組んでいる。


「地域の都市や街、全国の学校にeスポーツクラブがあり、さまざまな場所に世代や立場関係なく楽しめるeスポーツコミュニティがあり、eスポーツに関わる仕事が増え、より多くの人が携わっていく世界。ふと訪れた店ではゲームの世界大会が放送されていて、皆で日本チームを応援する……。そんな未来を描きつつ『eスポーツ』というワードがより当たり前になっていく。そんな2030年にしていきたいです」

 

今後はメタバースやAIなどの最新技術ともリンクしながら、さらなる発展が予測されるeスポーツ。プロチームもより拡大しメジャー競技として認知され、「小学生が将来なりたい職業ランキング」ではYouTuberを追い越し、追い抜く日もそう遠くはなさそうだ。これからの時代、ゲームは依存する対象でなくアイデンティティの一つになっていくだろう。

久保敦俊

Atsutoshi Kubo

株式会社Game & Co. 事業責任者

開成高等学校を卒業後、慶應義塾大学総合政策学部に入学。在学中の2016年より、株式会社CyberZにてesportsブランド「RAGE」の運営やプロリーグの設立に従事し、新卒で株式会社サイバーエージェントに入社。2019年からカードゲームのプロプレイヤーとして活動を始め、現在プロ活動5年目。株式会社サイバーエージェントを退職後、ANYCOLOR株式会社や外資系ITベンチャーで新規事業に従事し、現在、株式会社Game & Co.にて事業責任者を担当。

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