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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

元救命救急医がなぜインフルエンサー講師に?「時間や場所に縛られずに自由に働きたい」

「あの人、インスタで一躍有名人になったね」。そんな言葉が当たり前に交わされる、2023年現在。この10年でInstagramのあり方はめざましい変化を遂げ、人生を劇的に切り拓くツールにもなり得るようになった。そこに目をつけた女性が、ひとり。救命救急医から身を転じ、2019年にインフルエンサーを育てる目的のアカデミー「TOKYOインフルエンサーアカデミー」を設立した中島侑子氏だ。現在では、277人のインフルエンサーを輩出という実績を持つ。なぜインスタグラマーになったのか、なぜInstagramだったのか。人生を切り拓く術とは? 中島氏に話を聞いた。

救命救急医からインフルエンサーへの転身のきっかけ

当時救急救命医として従事していた中島氏は、妊娠・出産を転機に「時間や場所に縛られずに働くスタイルに変えたい」という思いから、インフルエンサーへの道を歩む。

 

「子どもが生まれたら、時間や場所に縛られないような働き方・生き方をしていきたい。それには『起業しかない』と、そのとき自分ができることでなんとか仕事を作っていました。20歳からやっていたブログ講座をしていましたが、どこかしっくり来ず……。そんな際(2017年ごろ)に、Instagramの存在を知ったんです」(中島氏、以下同)。

 

2016年のSNS利用動向に関する調査では、Instagramの認知度は72.8%というデータが出ており、2014年の48.6%から大幅に増加している。Instagramアカウントを開設している日本企業は1万社を超え、ビジネスプロフィールやストーリーズ機能の追加など、国内のInstagramのビジネス活用が一般化してきたといえるこの頃、中島氏が着目したのは、まさに時勢を見ていたといえる。

「今後インスタの時代が来る」。そんなことを直感で感じた中島氏は、研修医を終えてバックパッカーとして世界を周遊していた頃に撮り溜めていた写真を発信し始めた。反応は良かったものの、よりフォロワーを獲得するためにトライアンドエラーを繰り返したという。タグ付けの仕方、写真加工の仕方、写真の投稿枚数、キャプションの書き方……。考え得る要素を全て洗い出し、結果を見ながらPDCAを回し続けた結果、わずか3ヵ月でフォロワー数1万人を突破。それをきっかけに、地方創生や講演会の講師の依頼、メディア出演の仕事が増えはじめた。

そんな自身の経験から「全ての女性は自分の力で自由になれる」をテーマに、2019年に「TOKYOインフルエンサーアカデミー」を設立。4ヵ月という短期集中で、Instagramにおける「発信力」「影響力」を持つインフルエンサーを育てるカリキュラムを提供し、現在では、数万人のフォロワーを抱える277人のインフルエンサーを輩出するまでとなった。

インスタで夢を叶える3つの要素は「目的」「分析&リサーチ」あとひとつは

他にも多くのSNSツールやビジネスツールがある中で、なぜ中島氏はInstagramに注目したのか。

 

「ひとつは、投稿したものを遡りやすいユーザーインターフェースです。興味を持った『ヒトやモノの過去』を一目瞭然に追うことができるため、ファンがつきやすい。だからこそ、『自分という冠のメディアを作る』ことがしやすいんです。もうひとつは、より『個人』に浸透している媒体であること。ユーザー層が広いため、狙うところにリーチさせやすい特徴があります」

 

Facebookと比較すると、発信内容が可視化され、より属人化している。TwitterやTikTokと比較すると、いわゆる「炎上ユーザー」が少ない。このあたりがInstagramであるべきポイントである、と中島氏は語る。

 

「そしてInstagramは、写真で伝える力を持っています。目から入った情報でパッと選択できるということは、忙しい毎日を送る現代の私たちにとってはとても扱いやすい。だからこそ、ユーザーが増え続けているんだと思います」

 

そんなInstagramだが、普通に使ったからといって誰もが人生の夢を叶えられるわけではない。Instagramにおける「発信力」「影響力」を持つインフルエンサーになるためには、まずフォロワーを増やす必要がある。そのために必要なことを、3つに絞るなら? 聞いてみた。

 

「一番大事なのは、インスタを活用してどんなことをしたいか、どんな夢を叶えたいか、を明確にすること。アカデミーでは、より具体的に目標設定を行っていきます。自分がやりたいことややりたくないことを全て書き出す、人生で叶えたいことを100個リストアップする、1年後・3年後はどうなっていたいかを書き出す……。自分を見つめ直すワークをし、目標の整理をします」

 

2つめは、「分析力とリサーチ」。

 

「自分の目標に近い人を、インスタグラム内で探す作業です。その上で自分に取り入れられそうなものがあったら取り入れる。叶えたいことから逆算したテーマやターゲット設定の具体検証をしてます」

 

3つめは、「更新頻度」。「毎日更新する」という地道なステップこそが、夢に近づくための一歩だそう。ただ、毎日のようにInstagramと付き合っていくと、誰もがぶち当たる壁がある。それが、「自己肯定感の壁」。

「『人と比べること』は、ほぼ全ての人が直面する問題です。それを悪いことに捉える人も多いですが、アカデミーではそれは当たり前のことだと指導しています。比べてしまう自分を、まず受け入れる。受け入れた上で、自分の目的にフォーカスをするように訓練していくのです」

 

比べる対象は「他人」ではなく、「昨日の自分」。毎日Instagramに触れながらも、必要なタイミングでは、デジタルデトックスの指導もする。アカデミーにおいては、そういった丁寧な指導のもと、未来のインフルエンサーを生み出す活動が行われている。

 

アカデミーでの成功例を紹介した中島氏の著書が、『インスタで夢を叶えた50人のやり方を1冊にまとめました。』(KADOKAWA)。

 

例えば、7人子育て中の生活保護シングルマザーから年商2,000万円の経営者兼読者モデルとなった、佐藤まどかさんのエピソード。自分の弱さをストーリーズで自己開示した結果、1ヵ月ちょっとで1万フォロワーを達成した。「彼女は、言われたことをすぐにやる素直さとスピード感がありました」と、中島氏は語る。

 

同書では50名のケーススタディがより具体的に紹介されているので、自分が目指す方向と近い存在の成功例も見つけられるかも。これは、必読だ。

ポジティブな人生を叶える「TOKYOインフルエンサーアカデミー」

といっても、Instagramは一つのツールに過ぎない。本当に大切なことは、その向こう側。「自分の人生を好転させていく」ことである。「TOKYOインフルエンサーアカデミー」は、Instagramでフォロワーを増やすテクニックだけでなく、受講者のマインドまで大きく変える指導をしている。授業は基本的にオンラインで開催されるが、そこで生徒同士が交流し鼓舞し合うことで、ゆくゆくはオフラインでも影響し合う。それこそが、人生を大きく変えるきっかけになるという。

「みなさん、卒業されるときに『一生の仲間ができた』『大人になってからこんなに深い絆ができると思わなかった』と、口を揃えておっしゃってくださいます。フォロワー数を増やすだけでなく、切磋琢磨し合う仲間との出会いがあったり、一生の友人に出会えることも、このアカデミーの大きな価値だと考えています」

 

Instagramという一つのSNSを通じて、リアルで交流や影響し合う世界が広がっていく。それこそが、夢の実現に近づくのだ。最後に、中島氏の今後の活動について伺った。

 

「卒業生の一人ひとりがインフルエンサーとして世の中へ影響力を持ち、人生を明るく切り拓いていく存在になっていくことはもちろん、『TOKYOインフルエンサーアカデミー』のコミュニティの発信力や影響力をさらに強くしていくこと。影響力を持った人がその周りを影響し、さらにその周りが影響され、という感じでその輪がどんどん広がっていくようなイメージを持っていますね」

 

Instagramをきっかけに、「欲しい未来」を手に入れる。現代のシンデレラストーリーとも言えるそのチャンスは、誰しもが持っているのだ。

中島 侑子

Yuko Nakajima

医師/TOKYOインフルエンサーアカデミー主宰/日本インフルエンサー協会代表/ミセスアジア2019世界大会日本代表

1982年東京都生まれ。救急救命医を経て、起業。2017年Instagramに出会い、目標達成やセルフブランディングを用いた独自の発信方法を編み出す。著書に『医者のたまご、世界を転がる。』(ポプラ社)、『インディペンデント』(評言社)。

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