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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

ZoomやChatwork、スケジュール、経理……増え続けるSaaSをどう管理する?

SaaSというワードに馴染みがなくても、現代のビジネスマンはほとんどの人がお世話になっているはずだ。Zoom・Teamsなどのリモート会議ツールから、Chatwork・LINE WORKSなどのコミュニケーションツール、スケジュールツールや経理ツール、タスク管理まで、クラウド上にログインして使うサービスは全てSaaSである。そうした様々なSaaSを一元管理するサービス「メタップスクラウド」が、IT企業のみならず幅広い業種で注目されているという。そもそもSaaSを一元管理する必要はどれほどあるのか? 立ち上げ時よりサービスを見てきた株式会社メタップスの古川和芳氏に話を伺った。

アカウントは企業の資産

2021年3月にローンチし、現在は100以上で導入を前提にした検証が進んでいるメタップスクラウド。ポイントはやはりSaaSを一元管理できる点。これには前提として「アカウントは資産」という考え方が必須だと古川氏。

 

「SaaSはソフトウェアの基盤がクラウド上にあるため、そこに社員が個々にアカウント登録しログインして使うのが通常です。なので、SaaSの数が増えるに連れて、安全面や管理の手間を心配されている企業さんは多い。とはいえ、どんな対策を取るべきか、コストをどこまでかけるべきかが分からず、多くの所で後回しになっている状態です。そこで僕たちがよく言うのは、アカウントは大事な資産なのでしっかり管理しましょう、ということです」

メタップスクラウドを使えば、企業の情シス(システム管理者)は従業員が使っているSaaSの種類やアカウント、その費用を一覧で把握できる。特に導入企業の声で多いのは、人が辞めた際に解約・削除し忘れたアカウントをすぐに見つけられて助かる、ということ。コスト面でもセキュリティ面でも、元従業員のアカウントは当然残しておくべきではない。

また、メタップスクラウドではIDaaS機能によるシングルサインオンが可能だ。簡単に言うと、メタップスクラウドに一度ログインするだけで使用している全てのSaaSに自動でログインできる。よって、必要なパスワードは一つだけ。ならば、そのパスワードが流出してしまったら……? という疑問が沸いてくる。そうしたことがないように、ログイン時にアクセスできるIPアドレスを制限したり、端末証明書を利用した認証を設けるなど、一つに集約した“入口”の安全性を強化している。

 

こうした効率化によって最も助かるのは、やはり情シスの人々。従来のようにパスワードの再発行方法を従業員にアナウンスするといった細かな手間が省け、結果、本来行うべき作業の時間を確保しやすくなる。

 

100以上のSaaSを使って見えた課題

こうした現場の気持ちに寄り添ったサービス設計は、IT企業であるメタップス社自身が直面していたSaaS管理の課題から始まっている。

 

「デザイン系やコミュニケーションツール、経費計算、勤体系、タスク管理など、全体で100以上のサービスを使っており、そのアカウント管理に頭を悩ませていました。そこでSaaSをもっと使いやすくする土台となるようなサービスがあれば……という想いが発端となりました」

そこで3〜40社にヒアリングをした結果、見えてきたのはコロナ禍でリモートワーク対応に奔走する情シスの姿だったという。これまで会社で管理できていたものが、従業員が家に持ち帰ることで難しくなった。例えば、契約書が保管される電子捺印系サービスなどが分かりやすい。社員は自宅のPCからログインしてダウンロードもできる。従業員が効率良く働ける環境を整えながら、高い安全性もクリアすることが求められる。古川氏の肌感覚でも「情シスの仕事量は年々増えている」という。

同社ではこうした実態調査は、サービスローンチ後も積極的に行っている。開発に役立つのはもちろんだが、こんな想いもある。

 

「情シスの方にとっては有難いと言ってもらえる一方で、そこに経営層との意識のギャップがある場合も大きくて。そこでは投資対効果や数字を求められます。経営層の方々に理解いただくのに、こうした実態調査が理解に役立ちます」

今後もSaaSは増え続ける

とはいえ、自社のことでもない限り、SaaSの一元管理の必要性というのはなかなかイメージしにくい。そこで知っておきたいのが、日本でのSaaS利用は「これからもっと増えていく」という古川氏の見解だ。海外に比べて、日本の企業が使っているSaaSの数はまだまだ少ないのだという。

 

「グローバルでは一社当たり平均7〜80種を導入しているのに対して、日本の企業の平均は10種ほど。これまで日本の多くの企業では、オンプレ(自社のネットワークやサーバに構築して運用する)のサービスを使っていました。これは社内のネットワークにログインして使うもので、出勤を前提にしているシステム。働き方が分散化している今、こうしたサービスの使い勝手は悪くなっています」

こうしたオンプレのサービスのSaaS化が、今多くの日本の企業で起きている。従って、今後はセキュリティ面も「より強固なものが求められる」というのが古川氏の考えだ。

働き方が変われば管理・セキュリティも変わる

2022年6月には、メタップスクラウドに「シャドーIT」を防ぐ新機能が追加。シャドーITとは従業員が情シスの許可なく使っているクラウドサービスやデバイスなどのことで、メタップスクラウドでは、許可なく利用しているクラウドサービスを簡単に発見できるようになった。また今後も、アカウントの帳簿管理やアカウントの発行作業については自動化を、SaaSごと従業員ごとの利用頻度が表示される「利用分析」機能を予定しているとのこと。

リモートや副業OKの企業が増え、場所や所属、雇用形態にとらわれない働き方が加速している。働き方が変われば選ぶツール(SaaS)も変わる。ツールが変われば、管理とセキュリティの手法も変わる。さらにツール自体も増えているとなれば、今後管理やセキュリティの問題がより顕在化してくるのは明らかだ。


「多様な働き方を許容していかないと、企業も難しい時代です。『自社に所属する人限定で』というセキュリティのもち方が難しくなる。そうした時に、効率が良く、融通がきくSaaS管理のシステムが、さまざまな働き方を下支えする存在になると思っています」

古川 和芳

Kazuyoshi Furukawa

株式会社メタップス クラウド推進事業部 マネジャー

アパレル企業での接客、マネジメントから、ECサイト関連の営業、広告系企業の動画制作などを経て、2017年にメタップス入社。現在はクラウド推進事業部 マネジャーとして「メタップスクラウド」を担当。

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