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ENILNO いろんなオンラインの向こう側

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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

重版出来『新NISA+iDeCo+ふるさと納税のはじめ方』の著者が語る、2024年のお金との向き合い方

物価高騰に円安、そして増税と、日本をとりまく経済ニュースに明るい話題が少ない昨今。「一般の方の投資に関する相談は確実に増えています」と語るのが数々のマネーセミナーで講師を務めるファイナンシャルプランナーの森本貴子氏だ。『新NISA+iDeCo+ふるさと納税のはじめ方』(ワン・パブリッシング刊)を上梓したばかりの森本氏に、先行き不透明なこの世の中で、お金との向き合い方を聞いた。

「お金のことに関して、だれか相談できる人はいますか?」。ファイナンシャルプランナーの森本氏の問いかけに、ドキッとする人は少なくないだろう。長らく日本では、お金の話は大きな声でする話題ではないと考えられてきた。

 

けれどもそれは時代とともに変化していると森本氏は語る。「企業向けにマネーセミナーの講師として活動していると、セミナー後に個別に相談に乗ってほしいという方が近年特に増えたという印象です」(森本氏、以下同)

 

実際、こうした貯蓄や投資への意識の高まりは如実に数字に表れている。例えばNISAで見れば、日本証券業協会の発表によると、2023年6月末の証券会社のNISA総口座数は1,290万口座と、2022年末と比較して9.4%増と半年で大きく変化しているのだ。

出典:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果」

「やはり、コロナがあって、お金に対する意識が変わってきました。コロナで解雇になったり、また減収になったりした方もいました。リモートワークになって家にいる間に、生き方を見つめなおし、投資を始めた方もいらっしゃいます」

新NISA+iDeCo+ふるさと納税、まずはここから

さまざまな相談を受ける中で森本氏が聞かれることが多いのが、NISA、iDeCo、ふるさと納税の3つだという。だからこそ上梓した著書はこの3つに絞って重点的に紹介した。

 

「本の制作の上で一番こだわったのは、とにかくわかりやすく伝えること。それによって実際に行動に移してもらえるような本にしたいと思っていました。だから本編はもちろん、帯にも漫画を入れてもらいました。登場人物も、『こういう人、いるよね』と親近感を覚えてもらえるようにしています」

 

著書『新NISA+iDeCo+ふるさと納税のはじめ方』は、各章の巻頭には漫画が配され、会話調でストーリーが進んでいく。森本氏自ら歯に衣着せぬマネーの先生として登場、実体験として受けた質問の数々にテキパキと回答する。数字が頻出するマネー関連本の中でも親しみやすい内容で、類書が多い中でも早々に重版がかかっている。

 

「新NISA、iDeCo、ふるさと納税3つを三大税制優遇制度とうたって、まず投資の経験のない人はここから始めてほしいという思いを込めています」

 

NISAの口座開設数は近年増えているとはいえ、日本人の家計の金融資産構成は過半数の54%を現金・預金が占めている。それに対し米国では、現金・預金が占める割合はわずか12%。ユーロ圏の35%と比較しても、日本人は資産を投資にまわさず、現金・預金で保持している現状がある。

出典:日本銀行による資金循環の日米欧比較

かつて米国に長く暮らした森本氏は、その背景には金融養育の違いに加え、意識の違いも大きいと話す。

 

「年配の方ほど『お金の話ははしたない』と教育されてきた方も多いと思います。一方で米国は投資や保険などでも『自分で自分の身を守らなければならない』という意識が強い。実際の投資やそれに関するコミュニケーションも、日本よりもっと日常的に行われています」

 

そもそも「投資」と聞くと、いまだに「だまされるのではないか、失敗して大損するのではないか」というネガティブなイメージを持つ人も少なくない。「ただ過去に失敗を経験したことがある人の話を聞くと、知識もないまま知人に勧められたからといってリスキーな商品に手を出していたりするケースがほとんどです。何より最初は正しく理解することが重要です」

オンラインでできること、コミュニケーションをとったほうがいいこと

森本氏が投資に向き合う必要性を説く背景は、同書の巻頭にも記してある。現在のインフレが続くと、コツコツと預金をしていても実質的な資産は増えず、その価値は下がる一方だからだ。例えば年2パーセントのインフレが続くと、現在の100万円が30年後には55万円相当になってしまう。銀行に預けておくだけでは資産価値が目減りしてしまう今の時代、コツコツ増やすことが求められているのだ。

出典:『新NISA+iDeCo+ふるさと納税のはじめ方』(ワン・パブリッシング刊)

折しも2024年には新NISAがスタート、税制が優遇される制度が整う近年、投資を始める環境は以前よりずっと整っている。口座開設や売買など、オンラインでできることがかなり増えている。

 

ふるさと納税でも同様だ。納税先の自治体ならびに返礼品をチョイスするにはオンラインのほうがむしろ簡単かもしれない。会社員にとって確定申告が不要になるワンストップ特例制度の申請も、アプリ等を利用してオンラインで完結できるようになっている。

 

「オンラインでできる手続きはぐっと増えました。手続きのみならず、今までは大都市を中心に行われてきた金融のセミナーなどもオンラインで行われる機会が増え、全国各地から参加者が増えています。お金に関する個別相談もオンラインが増えており、都会や地方といった地域を問わず、全国各地から相談が寄せられるようになりました」

 

一方でオンラインの情報だけですべてを決断することに関しては、そこに潜むリスクも指摘する。

 

「現状どのような経済状態にあり、どのように貯金したいかなど、人それぞれ状況は違います。例えばどんな銘柄を選んだほうがいいのかなどは、やはりコミュニケーションをとって知識を得た方が良かったりすることもある。ネット証券は手軽さが魅力ですが、店舗型は対面で相談ができるというメリットがあります。うまく使い分けできるといいでしょう」

若年層から始めたほうがメリットは大きい

森本氏がこのタイミングで同書を上梓した背景には、2024年に新NISAが開始されることもある。新NISAでは制度が恒久化されること、非課税保有期間が無期限化されること、年間投資枠が拡大されることなど、同書でも制度の変更点は詳しく解説されている。

 

「新NISAはかなり大きなメリットがあります。だからこそこのタイミングでしっかり意識を持って関わったほうがいいと感じています。投資は運用期間が長いほどリスクは少なくなり、メリットは大きくなるので」

 

森本氏自身もかつては経済・金融には興味がなく、「あればあるだけ使う」というスタンスだったという。「私自身がお金について考えたのが40歳のとき。私自身はギリギリ間に合いましたが、相談でもやはり早く始めておけばよかったという声も聞きます」

 

これから訪れる2030年、そしてその先も日本における少子高齢化は加速することが明らかだ。特に若い世代はすでに危機感を持っている人が少なくない。

 

日本証券業協会のNISA及びジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果によると、2023年6月末時点の年代別NISA(一般・つみたて)口座数は、特に30歳代と40歳代で多かった。さらにNISA口座数のうち、つみたてNISA口座数が占める割合は若年層ほど大きい傾向にある。さらに同期のつみたてNISA口座開設者における投資未経験者の割合は実に90.4%と、多くの人が初めての投資に足を踏み入れている。

出典:日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果」

「NISAでもiDeCoでもふるさと納税でも、まずは始めてみることが大切です。決して大金ではなく、少額でスタートできますし、いざ始めてみると興味が出てくるという人は少なくありません。お金のことを考えることは、自分の生き方を考えることにもつながります。ワインでも飲みながら最近あったことを相談するように、もっと気軽にお金の話ができる世の中になってほしいなと思っています」

森本貴子

Takako Morimoto

マネーセミナー講師、ファイナンシャルプランナー

大阪府豊中市出身。甲南女子大学短期大学部英語学科卒業。会社員を経験後、23歳でNYへ単身渡米。 NYでPwCクーパース(プライスウォーターハウス)の役員秘書、米国人弁護士秘書、日本人初のインディカーレーサー・ヒロ松下のNYオフィスマネージャーに従事後、1998年に帰国。2004年「ル・マン24時間レース」で優勝したチーム・ゴウのメンバーとして、主にVIP対応とマネジメントに関わる。2008年 外資系保険会社入社。ルーキーオブザイヤー、LIMRA継続優秀賞を受賞。2014年3月よりGift Your Life(株)に勤務、全国で開催しているマネーセミナーの講師として活躍中。

  • 公式Facebookページ

取材:松岡絵里

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