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ポストコロナ社会において「オンライン」は必要不可欠なものとなった。
これからどのようにオンラインと向き合うのか、各企業や団体の取り入れ方を学ぶ。

27歳になった「たまごっち」が進化。世界中のユーザーと出会えるメタバース仕様に

かつて社会現象にもなった「たまごっち」が、2023年の11月に27歳を迎えた。「携帯型育成玩具」の先駆者的存在として知られるたまごっちは1996年にデビューして以来、時代に合わせて数々のアップデートを繰り返している。2023年7月には、満を持してたまごっちにWi-Fi機能が搭載された。手のひらサイズの小さなたまごの中では、メタバース空間「Tamaverse(たまバース)」なるものが繰り広げられている。これまではおなかが空いたらご飯をあげたり遊んであげたりなど「たまごの中だけで」遊んでいたたまごっちが、世界と繋がるメタバース空間になろうとは。なんだか、時代の流れを感じる。

 

今回は、そんなたまごっちを開発したチームへインタビューを敢行。話を伺ったのは、株式会社バンダイ・たまごっち企画開発担当の村上朝咲氏。たまバースという新しい視点、そして、おもちゃ業界の現在と未来について聞いた。

育てたキャラ同士で結婚も!? 安全に繋がれるメタバース空間

メタバース空間で、ユーザー同士が出会えるゲームやサービスが増えている。あの懐かしのたまごっちも、その右に倣った。それが、2023年7月に世界35の国と地域で同時発売された「Tamagochi Uni(たまごっちユニ)」。Wi-Fi機能の搭載により、たまごっちたちのメタバース空間である「たまバース」で、世界中のユーザーが育てたたまごっち「Uni Tama(ユニたま)」たちと出会うことができる。

「自分のデジタルペットを世界中の人たちに自慢できる場所があったらいいなという思いで、たまバースを誕生させました。例えば犬を飼っている人がドッグランに行くように、自分のペットのかわいさって、やっぱり自慢したくなるものですよね」(村上氏、以下同)

 

Wi-Fi機能が搭載されたことで、どんなことができるのか。SNSのように、ユーザー同士でのコミュニケーションが取れたりもするのだろうか。

 

「Tamagochi-Uniの対象年齢は6才以上。小さなお子さまが遊ぶ上で危険にならない範囲でのコミュニケーションにするべく、交流できる範囲にはある程度の制限をかけています」

直接的な交流はできないものの、「Tamagochi Uni」には、これまでのたまごっちにはなかった楽しい交流ができる仕掛けがたくさん。たまバース空間のエントランスに集まる世界中のたまごっちに簡単な挨拶ができたり、かわいい見た目のたまごっちを見つけたらハートを送ることができたり。3つのエリアがある「たまスクエア」では、世界のどこかにいる運命のユニたまと出会える「たまっちんぐパーティー」や行きたいツアーを選んで旅行に行ける「たまトラベル」、ユニたまのコーデを登録して世界のユーザーにお披露目できる「たまファッション」など、ユニークな遊びが満載。その内容は次々とアップデートされていくため、起動するたびに違う面白さが小さなたまごの中に広がる。

「例えば、アメリカのユーザーが育てた宇宙服をまとったユニたまに挨拶できたり。世界中のユニたまと出会うことができ、遊びながらもグローバルな視点でアイテムを選び購入することができます」

 

ユニたまの洋服やアクセサリーは、「ごっちポイント」というたまバース内で使える通貨で買うことができる。それを稼ぐ手段がミニゲーム。昨今のゲームのような課金システムは一切なく、保護者は安心して子どもに遊ばせることができる。

さらに「たまアリーナ」では、毎月世界中のたまごっちと協力したり競ったりする期間限定のゲームイベントも開催。新しい発想のミニゲームで遊び、ごっちポイントを貯めることができる。それが今までのたまごっちにはない新しい交流の場となり、さらにおもしろく遊べるところ。11月にはタレント・あの氏とのコラボレーションイベントも行った。

「タレントさんとのコラボレーションは、今後もたくさん企画できたらと思っています。先日11月23日がたまごっちの誕生日だったのですが、渋谷109でポップアップイベントを開催しました。そのステージにもあのさんにご登壇いただきました」

 

たまごっちのイメージキャラクター「TAMA FAMILY」には、あの氏の他、世界で活躍するインフルエンサーでTikTokフォロワー数1.5億人超えのチャーリー・ダミリオ氏や、動画クリエイターkemio氏などの名も連ねる。

また「たまっちんぐパーティー」という遊びでは、お気に入りのユニたまを見つけ、パートナーになることもできる。もし相手が海外のユニたまなら、その国らしいところでお食事したり。リアルでありつつ、安心して交流できるたまバース。子どもたちの世界が広がりそうだ。

私たちを取り巻くデジタルの変遷とリンクしながら進化する

初代たまごっちの展開終了から2004年に復活し、第二次ブームとなった「かえってきた!たまごっちプラス」「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」のメインターゲットは、現在、ちょうどZ世代後半。彼らは生まれつきインターネット社会に接しているデジタルネイティブ世代でもあり、そこに、進化し続けるたまごっちが愛される理由がある。

 

「第二次ブームとなったたまごっちで遊んでいたのが、現在SNSと密接に関わっている世代です。たまごっちを懐かしむ思いやその進化を楽しむ様子を、TikTokやXなどで発信していただいています。その連鎖でありがたいことに、Tamagochi Uniは子どもだけでなく、大人にも人気のコンテンツとして愛されています」

 

そしてたまごっちが27年間歩んできた変遷は、私たちが歩んできたたまごっち本体の進化を投影している。ガラケーでの赤外線通信が流行った時代には赤外線通信機能が搭載されたり、メモリカードでデータを抜き差しできたり。Suicaなどの交通系ICカードが浸透したときはタッチでたまごっちをかざし合うことで通信ができたり。

 

「時代に合わせて進化させることで、その時代を生きる子どもたちが憧れて遊べるような機能を搭載しています」

 

そうやって時代とともに進化を遂げてきたたまごっちだが、変わらないものがある。それが、キャラクターの見た目。「レトロ感」とでもいうのだろうか、どこか懐かしい感じのキャラクターは、昔から健在だ。

 

「陰影が滑らかになりすぎていないかや、たまごっちらしいカラフルな本体のイメージをキープできているかなど、見た目の『らしさ』は大切にしています」

 

デビュー当時の「携帯型育成玩具」というコンセプトを27年間守り続けることに意味がある。変遷するたまごっち本体の進化を取り入れつつ、キャラクターとしての軸をぶらさない。そこにも、27年間変わらない人気の秘密があるのだろう。

変わっていくおもちゃと、変わらないおもちゃの存在意義

おもちゃにメタバースが搭載されるなんて、つい最近までは思ってもみなかった。これからのおもちゃの未来は、どんなふうに変わっていくのだろうか。未来予想図について聞いてみた。

 

「既存のゲームと新しいおもちゃの技術が組み合わさって、新しい遊びや体験価値がどんどん生み出されていくと思います。たまごっちとしても、今後どういったものが近い未来に流行るかといったところは常にアンテナを張っています。そんな中でいつの時代も変わらないのは、人にとってのおもちゃの存在。人生においてマストではないけれど、子どもにとっては必要なもので、時には大人にとっても必要なものです」

 

確かにおもちゃとは子どもにとっては唯一無二なものだし、大人になってもおもちゃに触れることで、気持ちがゆるやかにほぐれる瞬間がある。

 

「Tamagochi UniがWi-Fiを搭載したように、その時代に沿ったものがこれからも出てくるんでしょうね。これからの未来はより、おもちゃが、子どもたちに『新しい好き』を与えるきっかけになっていくのかなと思います。お子さんの新しいニーズにいち早く気がついて、そういった欲求を満たせる商品を考えていくのが、私たちの一つのミッションです」

 

おもちゃを通じて交流できるたまバースのようなおもちゃも、これからどんどん広がりを見せていくのであろう。おもちゃで誰かと「繋がる」ことも、これからは当たり前の時代になるだろう。

 

「『遊ぶ』はもちろん、おもちゃを通じて学びの場にもなる機会も今後どんどん増えていくでしょう。子どもだけでなく、大人も。自分一人ではできない体験を手に入れられるのも、おもちゃが持つ大切な要素になっていくかと思います」

 

そのうちスマホのように、世界中の人々が「1人1台」たまごっちを持つ時代が来るのかもしれない。

村上朝咲

Asaki Murakami

株式会社バンダイ たまごっち企画開発

バンダイ入社1年目からたまごっちの企画・開発業務を行い、「Tamagotchi Uni」では主にキャラクター・世界観設定のディレクションを担当。2022年からは全世界で販売中の「Original Tamagotchi」のBrand directorを兼任。

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