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ニューノーマルライフの先

ニューノーマルライフが当たり前の時代。その中で生き抜いていくための解はどこにある? 時代の半歩先を行く書籍著者のインタビューからそのヒントを探る。

アフターコロナは「しっかり稼ぐ・ゆったり暮らすを両立」勝間和代

  • ニューノーマルライフの先

一つのウイルス蔓延から、大きく変わった我々の生活。ニューノーマルという言葉が定着する今、そのインフラを支えるのがオンラインだ。時代の半歩先を見つめる書籍の著者と共に、オンラインのこれからの活用方法を考える。

 

2020年ほど、多くの人が強制的に自宅で過ごした年はないかもしれない。外出や出勤、人との会合など、あらゆる野外活動が制限された。でも、悪いことばかりではない。経済評論家の勝間和代氏が2020年10月に上梓した『自由もお金も手に入る! 勝間式 超スローライフ』は、ステイホームを“ポジティブな引きこもり”とし、それによって人生を豊かにする方法を詰め込んだ一冊。本書が言う「超スローライフ」は、“田舎でのんびり暮らす”これまでのスローライフとは異なるもの。「一人で引きこもりながらのんびり暮らしている今が、人生で最も幸せを感じられています」という勝間氏に、その生活術を伺った。

 

勝間和代

KAZUYO KATSUMA

経済評論家/中央大学ビジネススクール客員教授/株式会社監査と分析 取締役

1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワーク・ライフ・バランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。なりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」の主宰、東京・五反田にあるキッチンスタジオ「クスクス」経営、公式YouTubeチャンネルの開設・発信など、活躍の場を広げている。

勝間和代

非効率な働き方は終わり。“宝の山”自宅を充実させる

専門の金融から、料理や片付け術まで幅広いジャンルで独自のメソッドを唱えてきた勝間氏。本書を「アフターコロナの新幸福論」と位置付けているが、実は勝間さん、コロナ禍による生活の変化はほとんどなかったと話す。

 

「お友達との外食が減ったくらいでした。というのも、私の会社では前々よりオフィス機能を縮小していて、10年以上前から社員が自宅で働けるようにしていたんです。全員が集まるのは忘年会など年に数回。2020年春からは、この自宅快適ライフをさらに充実させていきました」

現在進行形で世界を激変させているコロナショックだが、将来的には「歴史上、産業革命にも匹敵する出来事になる」と同氏は予想。なかでも大きいのが、人が集合して働かなくなる=離散型の働き方への移行だ。

 

「これまでは家と職場は分断していて、2箇所を毎日往き来するのが当たり前。十分な睡眠やバランスの良い食事、適度な運動などができず、高い生産性を発揮するための土台となる健康維持が難しかった。また、職場では出力や判子、残業などの文化も根付いていました。そういった非効率な働き方に多くが疑問を抱きながら続けていたところに、コロナが強制力になったのです」

 

確かに、突然の在宅勤務に当初は不具合やストレスを感じていた人も、慣れてくると、むしろ暮らしが豊かになったという声もよく聞く。

 

「そもそも自宅がくつろげるのは、気温も湿度も音も照明も、自分の体調や好みに合わせてカスタマイズできる空間だから。それを昼間使わないなんてもったいない。さらに、生産性を高める設備投資をすれば、自宅は住居としても職場としても世界一快適な城になるのです」

日常生活をパフォーマンスで判断するお金の使い方

勝間氏は本書で、最新テクノロジーを自宅に搭載して生産性を上げる衣食住のアイデアを多数紹介している。例えば、自炊にはいくつかの調理家電とネットスーパーを駆使し、衣服は購入せず〈エアークローゼット〉でレンタル、最近では猫のトイレ掃除には猫用全自動洗浄トイレを導入したそう。当然これらは設備投資がかかるので、一見贅沢品として躊躇しがちだが……

 

「お金の使い方で大事なのは、日常生活全てをパフォーマンスで判断すること。たとえ高額品でも、その投資以上に今後の生活の質と仕事の生産性が高まる場合は賢い使い方と言えます。反対に滅多に使わないものは購入しないのが原則。例えば月に1、2度しか乗らない高級車などがそうです」

なかでも勝間氏が「ステイホームを飽きずに続けられる最大の理由」として挙げているのがVRだ。最近よく耳にするようにはなったものの、まだ親しみをもてない人も多い。

 

「VRは特殊なものではなく、要は“かぶる360度ディスプレイ”。ブラウザを通して見るものならなんでも活用できます。ソフトを使えばゲームやエクササイズやチャットなど使い方は広がりますが、例えばYou Tubeでコンサートを観るだけでも十分楽しめるんです」

 

勝間氏のおすすめはVRを使ったエクササイズや瞑想。前者は最もダイエット効果が高まるように強度を自動調整してくれたり、バーチャルコーチが励ましてくれるなど、モチベーションを上げてくれる工夫が満載。後者ではさまざまな大自然の中への没入感が得られ、感覚を研ぎ澄ませてくれると言う。

 

「今では(2020年12月時点)、最新のものが4万円弱で購入できるまでになりました。ニーズが増える中で、今後サービスが充実していくのは間違いありません。3、4年後にはスマホ並みの値段になり、一家に一台、という状態になっているかもしれません」

手間をかける・無駄を省く、のメリハリ

オンラインで外部とつながり、革新的な技術を活用する。勝間氏曰く、現代版スローライフの基礎になる概念は「とにかく手に入るテクノロジーを使い倒す」こと。とはいえ、生活の全てをオンラインに切り替えるわけではない。人と会いたい時には会うし、外で買い物もする。その線引きはどこにあるのか。

「結局、オンラインでできるのは視覚と聴覚の部分。ですので、そこを履き違えなければ大丈夫です。先日、ゴルフのウェッジを店頭で買いましたが、あれはオフラインが断然良いですね。店員さんに相談したり、実際に握ってみなければわかりませんから」

 

本書でもレシピを紹介しているように、基本は毎日自炊で、低糖スイーツや全粒粉パン、発酵玄米もよく作る。オンラインジムやトランポリンを使って2,3時間身体を動かすのも日課。時には友人と外食したり、ゴルフをすることもある。オフラインを土台にオンラインをうまく併用することで、利便性+快適性が両立できていると言える。

 

「0か100で判断するのではなく、大事な部分は手間をかける一方で、生活の無駄と思う部分をオンラインに切り替えるイメージです」

スローライフ実現には、成果報酬型がカギ

投資や仕事術に精通する勝間氏だが、本書の2章では「超スローライフ」を実現するためのお金の稼ぎ方について説いている。この快適自宅生活になってからは「これまでと同じ分量の仕事が1日3,4時間で終わるようになった」と話す勝間氏。単純に考えると労働時間が短くなれば収入も減るが、生産性高く働いて時間当たりの収入を増やすことができたと言う。

 

「カギは、自分の労働体系を定額収入から成果報酬型へ切り替えることです。会社員で定額収入の場合、収入は安定しますが、1日8時間拘束されるので自分の時間が制限され、仕事効率化への意欲も沸きづらいです」

とはいえ、現状会社勤めの人には、その切り替えへのハードルは高い。そんな人には、成果報酬型へ徐々にシフトする方法を提案。

 

「ボーナスを成果報酬型にしたり、副業をすることで、その感覚を掴みやすくなります。会社員時代、私の場合も初めは会計士でしたが、コンサル担当やアナリストになり、徐々に成果報酬型の仕事の割合を増やしていきました。最低限生活できる基本給をキープした上でシフトすれば、リスクを抑えられます」

 

これらは、会社の風土や自分の立場によっては難しいが、時間がかかったとしても、今後はそういう思想や評価制度の会社・社会に移行していくべき、という勝間氏の強いメッセージとしても受け取れる。超スローライフは、激変する社会に強い生活様式なのだ。

 

「この暮らしの基本は“変化する世の中”を前提にしています。こんなご時世ですから、変化を当たり前だと思って、自分は社会を先取りしながら変化していくのです」

 

これまで盲目的にやっていたことを見直し、また先入観が阻んでいたことに挑戦してみる。超スローライフへの一歩は、身の回りのどこからでも始められそうだ。

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取材:執筆/池尾優 撮影/疋田千里

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